竜宮門バッグN0.004

遠い昔
私が子供の頃に見た
とても美しい夢のお話です
私は美しい着物を着て
庭園を歩いていました
庭園には湖がありました
その湖には紅い太鼓橋があり
私は橋の真中まで来た時
ふと足元の水面を覗きこみました
水の下の世界には
さざれ石やら
金銀宝石で創られた珊瑚や
優雅に泳ぐ
宝石のような魚たちの住む世界が
眼下に
広がっていました
水は清く
優美な音楽さえ
水中世界に響いておりました
その世界に心を奪われた私は
じっと水の中を
みつめました
すると
欄干から手がすべり
そのまま湖に
落ちてしまったのです
無数にのぼる
細かな泡
上下左右もわからず
私はもがきました
そこへ誰かが
近づいてきました
次の瞬間
私の手を
取ったように感じました
すーっと氣持ちが
落ち着いた様な氣がしました
私は慌てるのをやめ
その人を見つめました
その男性は
長い髪に金櫛をさし
幾重にも重なる
たいそう立派な
着物を着ていました
でも私が住む世界の
着物とは何かが違っていました
私はそのひとに近づこうと
しました
しかし
私とその人の間には
交われない
なにか目に見えぬ
薄いベールが
私たちの間に
存在している様でした
その人の瞳は
悲しそうでした
私は次第に
その人を懐かしいと
感じました
しかし
私たちは
互いに目の前にいるのに
違う次元の世界を
生きているようでした
私は哀しい想いを
そらそうと
その人の背後に
目をそらしました
そこに
美しい門がありました
それが
竜宮門です
それ以来
その夢は何度も
色褪せることなく
思い出されてきました
こうして
ずっと私の胸の奥に
あった景色を
このバッグに
表現してみました
あなたの胸の奥に眠る記憶は
ありますか?
それは
あなたに語りかける
過去か
未来の
自分からの
大事な
メッセージかも
しれません